« かりん#9「ふりかえると・・・ 恥ずかしい」 | トップページ | 陰からマモル! #1「まもり続けて四百年」 »

ちょっと一服~蟲師#10話「硯に棲む白」

今回は、けっこう淡々と静かに見れた、お話でした。

いや、状況は、硯に閉じ込められていた蟲により死に至ろうとしている子供達や、自分が作った硯のせいで(実際は硯の中の蟲のために)死んでしまった婚約者など、重たい部分は、あいかわらずあるんですが、発端が「生きるの死ぬの」ではなく、極みを求める職人の魂によるものというところが、けっこう現実的な人間の描写に繋がっているようでした。

子供達を助けようとする化野せんせいの医家としての現実的な奔走や、子供達の身体の中から蟲を追い出すのに、気圧の差を利用するギンコの物理学者のような冷静な対応も、また然り。

suzuru1 件の硯は、病床に倒れた父の代わりに、世に認められる硯を作りたいという”たがね”の想いと、石から甦りたいという蟲の意思とが呼び合った結果でしょうが、立派な硯を作りあげたにもかかわらず、硯の原石が石となってしまっていた蟲であったために不幸を呼んでしまいます。


蟲のことを知らなかったとは言え、自分が作った硯を手にした婚約者が死に、更に硯を手にした人たちが次々と死んだということは、職人としての”たがね”にとっては、耐えられないことであったでしょう。(手にした者が死ぬというアイテムでは、スミソニアン博物館に保管されているブルーダイヤモンド「ホープ」が有名ですね)
だから、職人としての道も絶ち、一件が終わった後に件の硯も壊そうとします。
自分の仕事に責任もプライドも持たない、どこぞの不祥事企業や○○士とかいった人たちとは、えらい違いですね。
suzuri2

だけど、生み出された硯そのものに罪はない。
それを絶つことは、そこに込められた職人の魂も真から絶つこと。絶ってしまえば二度と戻らないもの。
だから、人間くさいギンコは、蟲を硯から解放して天に還し、”たがね”が心に抱えた罪をも 硯とともに昇華させようとします。

taganeたがね”の魂が再生するには、今すこしの癒しの時が必要でしょうが、「また硯を作ればいいさ」というギンコに、「そうだね」と答える”たがね”からは、今回の事件で氷ってしまった心も、少しずつ融けはじめているようです。

今回のお話が暗いトーンにならなかったのは、化野せんせいとギンコの軽妙さと洒脱さに助けられているところが大きいですね。
硯の処理について相談する場面で、”たがね”からは窘められ、ギンコからは責められる化野せんせいには笑かします。(墓穴は掘るし懲りないし)

ところで、関東地区では今回は『やまねむる』との2本立てだったそーですね。
関西地区では1本ずつ放送なので『やまねむる』は来週ですが、ムジカの想いに、朔の哀しさに涙しそーです。
もう、2巻には戻ってこないと思って原作は読んでしまったのですが、人間の切なさとか、やるせなさ。そんなことに関わらない自然の大きさを見せてくれることに期待しています。

|

« かりん#9「ふりかえると・・・ 恥ずかしい」 | トップページ | 陰からマモル! #1「まもり続けて四百年」 »

「アニメ・コミック」カテゴリの記事

「アニメ:蟲師」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/143887/8055425

この記事へのトラックバック一覧です: ちょっと一服~蟲師#10話「硯に棲む白」:

» 蟲師第10話「硯に棲む白」 [蜂列車待機所日記]
子供のころ、ちょっと書道教室に通っていたことがありまして。実はあまりに早い時期に毛筆に取り組むと、かえって悪筆になってしまうんだそうです。くそう、もう遅いよ(^^:まあ、何にしても墨をするという作業は、子供心にもなかなか楽しかった。ずっと忘れてたことなのに..... [続きを読む]

受信: 2006年1月11日 (水) 18時54分

» 『蟲師』第10話「硯に住む白」 [せーこののんべんだらり]
放映日、一応リアルタイムで見てはいたのですが、あまりにも体調が悪くほとんど内容が [続きを読む]

受信: 2006年1月17日 (火) 00時01分

» レビュー・評価:蟲師/第10話「硯に棲む白」(すずりにすむしろ) [ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン]
品質評価 32 / 萌え評価 17 / 燃え評価 2 / ギャグ評価 2 / シリアス評価 17 / お色気評価 0 / 総合評価 12レビュー数 34 件 磨った者が次々と奇病に冒される不吉な硯。蟲の化石から作られたという硯の謎を解くべく職工を訪ねたギンコは、さらに数奇な背景を知る。 ... [続きを読む]

受信: 2007年9月 7日 (金) 20時19分

« かりん#9「ふりかえると・・・ 恥ずかしい」 | トップページ | 陰からマモル! #1「まもり続けて四百年」 »