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世界はただ美しく~蟲師 #14「籠のなか」

か~ごめ籠目。か~ごのな~かのと~り~は。
い~つ、い~つ。出~やぁ~る♪

ということで、今回は竹林の籠に囚われた男(キスケ)の話。
大元ネタは竹取物語というのはご承知のとおり。
いや、存外、かぐや姫も鬼蠱だったのではと思わせるような話です。

キスケの状況は妻のセツ(蟲と人の間の子)と子供の頃に竹林の中で遊んでいたときに、セツから分けてもらって飲んだ竹の水の影響によるものなのですが、当然キスケもセツもそんなことは知る由もなく、ギンコによって初めてその事実が明かされることになります。

セツ自身も人の姿はしていても、本当の人間でなく、蟲の影響を受けて生まれた身であるため、竹の姿をした蟲から離れて生きられないのですが、その想いは人間より人間らしくあります。
setu take3 竹の影響で愛するキスケが自分と同じように竹林から離れられずに、傍にいられることを愛おしく思いながらも、キスケを竹林の中に閉じ籠めてしまったことを詫びるように、親にも近しい、自分と娘に命の水を与えてくれていた蟲を切り倒してしまいます。
それは愛する人のため故に取った哀しい行為。
その代償を、他人への罪とするのではなく、自分自身への罪として受けた結果、悲しい結果となってしまうのですが・・・。

kisuke しかし、セツの献身のおかげで竹林を出ることのできたキスケとその娘に対する村人の排他的な態度は、ある意味、人の愚かしさを見るようです。
呆然とするキスケと娘の泣き声が痛々しいです。

人は自分と違う異質なモノを疎ましく思うもの。
それは、自分に害を成さないものでも、自分と違った姿、考え方であるというだけで、簡単に自分たちの枠の外に追いやってしまいます。
人種の違い、文明の違いというところはもとより、同族、同年代の中でさえ、狭歪な自分の価値観と異なるというだけで、恥も知らず群れをなし他人を拒む人々。
それは、あたかも自分たちだけの籠の中に閉じ籠っているかのようです。
ほんの少しでいいから籠の隙間を開ければ、その先には広い世界があるはずなのに・・・。

はてさて、それと気づかずにぬくぬくとした籠の中にいるのが幸せなのか、厳しい風が吹いていても広い世界で生きるのが幸せなのか。
あなたは、どちらですか?(笑)
キスケはセツの出自に惑わされず、セツ自身を愛したのですよ。

baby ところで、キスケとセツの娘が疎まれるのは、生まれたときに竹の子のように、竹の皮に包まれていたことにより、その出自が人間でないということがわかったからなのですが、これは生態系が違うだけで、羊膜みたいなものと思えば、違和感はない・・かな。(^^;

とはいっても、やはりも蒙昧な人々にとっては受け入れがたいことで、村には受け入れてもらえないことを悟ったキスケと娘が再びセツの元に戻って、
kisuke2 「それから、しばらくは、三人は幸せに暮らしたという・・・」
というところで終われば、解りあえない相容れぬものの虚しさを感じさせる普通の終わり方。

kisuke3 これを捻って、蟲を切り倒した影響を確認しに、半年の後に再び竹林に戻ってきたギンコが目にしたものは、命の水を得る術を失くしたセツと娘が朽ちるように死んだという二つの墓、というのがいつもの哀しくやるせない終わり方。

take2 今回は、さらに捻って、また年がめぐり竹の葉が落ちる季節に、1年前にキスケが娘に語って聞かせたように、落ちる竹の葉が竹の子供を育てる素となるように、二人の墓から生えた竹の子の中から赤ん坊の声が聞こえてくるという、秀逸の終わり方。
take4 take5 kisuke4 take6




竹の多年生植物というネタを活かした、生命の再生、輪廻というところにキスケの想いが混じり合って泣かせます。
動物が自身の子宮に生命を身籠るのと同じように、竹林という籠の中の子宮に身籠ったようなものですね。

take 今回の舞台の竹林
森の木々と違う感じで陽光が差し込む様は、まるで羊水の中から外の世界の光を見るようです。(・・・そんな記憶はないですが。^^;)
あえて言えば、海の中から仰向けになって空を見る感じですかね。

陽光を受けて光沢のある竹の質感は、まるで碧の水晶をみる感じで美しいです。

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