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よみがえる空 #2~#4

あまりの話の渋さに選ぶ画もないほどの「よみがえる空」。
選ぶに値しないではなく、全てがそこにある現実のように描かれていくので、ただ作品に見入ってしまいます。
芯のある脚本に加え、画はしっかり描きこまれていて、キャラも浮ついたところもなく、メカニック描写も金属の質感を始めとして、発進準備から出動プロセス、小道具も含めた現場での使われ方と見事です。
新春新番No.1の作品ですね。

同時期に始まった同じバンダイビジュアルとはいえ、タクティカルロアとはえらい違いです。
ましてやタクロアと同じ監督の陰マモなぞ○みたいなもんです。
あの程度の作品しか作れないのに、二作品同時監督など異能の新房昭之みたいな真似するから中途半端なものしか作れない・・・と、これはタクロアの方で書きましょう。

■ #2「困難な仕事」

2kazu1東うるま島の被災地へ負傷したパイロットの代わりに予備兵として出動する一宏。
気合を入れるための本郷三佐の挑発に乗る、まだまだ青いところがよいですね。
被災地では、まずは勇壮な音楽にのって要救助者を収容。・・・生存者が助かるのはほっとしますが、現場はそんな楽観的なことばかりでなく、厳しい現実も待っています。

学校に避難していた人たちを救助するために、他の要員と二人で現場班として残された一宏ですが、そこで喘息の発作を起こしている老人のために、避難するときに家に忘れてきた薬を取りに集落まで走っていきます。
いくら青臭い主人公で、現場の判断とはいえ、本当は勝手に持場を離れることは、判断の訓練ができていないのでは・・・?と、ちょっと思わせますが。
二次被災の危険との兼合いは、ちゃんと判断できたのでしょうね?(笑・・・と笑ってる場合ではありませんが)

更に、無事に薬を取って帰ってこれたのはいいのですが、その家に取り残されていた猫を連れ帰ったことが、次の事故を招いてしまいます。
sakura 助けられた猫を見た少女が、避難するときに置いてきた飼い犬を連れに、皆の気づかぬうちに被災地の集落まで一人で助けに行ってしまったようです。
その結末は、次回で語られることになるのですが・・・。

良かれと思ってやったことでも、その影響、他への関連を大局で判断できないと、思わぬ事態を招いてしまいます。
目の前の課題を解決したい。その行為自体を否定はしないのですが、局所的な対処をしながらも、大局も損なわないようにするには、やはり俯瞰的にものを見る眼、積み重ねた経験が重要なファクターとなるようです。
何か全ての仕事に共通する基本を見るようですね。

■ #3「苦しい仕事」

3sakura 前回、犬を助けに家に戻った少女は、余震による家の倒壊に巻き込まれたようで、崩れた瓦礫の隙間に挟まれていました。
死んでしまったかもしれないという周囲の最悪の予想だけは避けられましたが、家から助け出されたものの、かなり危険な状態の少女をヘリで病院へ緊急搬送することになります。

3uh 風雨の中、ヘリの着地地点の設定、燃料と航続距離の計算とシビアな状況における判断。
そして、容態が急変した少女を助けるためには進むしかないが、燃料切れの危険もある中、海自の”はるな”に緊急着艦して見事に燃料補給して再発進する姿は、まさにプロの仕事を見るようです。

現実においても奇跡と呼べるような状況は起こりえますが、それは積み重ねられた修練とぎりぎりの努力・判断があって生み出されるものです。
ただ、待っているものに奇跡は起こりえません。
しかし、それが全て報われることもないのも、また現実・・・。

ようやく病院のある地点の上空に到着したものの、街は停電で着地地点が判別できない状況。
3uh3 ここで、病院の前に自動車のライトでを並べて着地点の誘導灯を作るというのは、少しできすぎな気がしますが、これで助かっていればけっこう感動的です。(ハリウッドにはよくありそーなパターン)
しかし、ストーリーは更にシビアな展開を突きつけます。
無事、着地して少女を病院に運び込もうとしますが、主人公の目の前で、既に少女の命は・・・。

どんな状況であれ、人が亡くなるのはツライものです。
そのような結果に至らないように、いくらの努力を払っても、そのすべてに人事が及ぶものでもありません。
あのとき、ああしていれば。こうであったならば・・・。

起こってしまった事実に納得を求めようとするのも人間ですが、いくら「たられば」を繰り返しても、失ってしまった時間、起こってしまった事を元に戻すことはできまません。
そこに、故意や過失、ましてや悪意があったれば別ですが、二度と同じ事を起こさないように誓い努力することが、起こってしまったことへの責任の果たし方でしょう。
それは、起こってしまったことを何とも思わないことでも、忘れることでもなく、前に進むためのものですね。

そのためには精神も強くなければなりませんが、一宏は自身の弱さゆえに他にあたり、自身も傷ついてしまいます。
まだまだ若いゆえに、その弱さが見えるところも、これから成長していくところも魅力的なんでしょうね。

■ #4「大切な人」

4megumi 前回のラスト。傷ついたまま、やりきれず恋人のめぐみの声を聞きたいと電話をかけた一宏。
GWの連休にも帰る予定だった実家にも帰らずに小松に留まったままの、そんな一宏のところに直接訪ねてきた”めぐみ”。

物語は、そんな二人のすれ違いを見せます。
一宏の事を心配して小松に来たものの、本当は自分も思い通りの仕事をやれてなかったり、失敗している事を面に出さず、一宏のことを気遣うめぐみ。
そんな、めぐみの気持ちや状況も理解できないまま、仕事のことを楽しそうに話したり、会社からの電話に出る、めぐみの表面的なところだけ見て、いらつく一宏。

東京にもあるようなありきたりのデートコースで、なんとなく時間をつぶしていく中、感情的な言葉をめぐみにぶつける一宏。

4kazu4 「つきおうてやっとる、こっちがアホみたいじゃ!」
「お前、変わったわ・・・」


4kiss そして、自分の傷を慰めるように、いきなり、めぐみにキスをするし、これは現実なら完全にヘタレ男のフラレパターンですが、よかったね、お話の中の出来のいい彼女で。(笑)

めぐみの方は本当の一宏を知っているからこそ、デートの途中ケンカになりながらも、帰りの車の中で、黙ったままの一宏に「自分を抱いたら元の一宏に戻ってくれるか?」と問いかけます。
これにのったら、それこそダメ男でしたが、男性には、どうしようもなく女性の肌のぬくもりを求めたいときがありますよね。
女性もそんな男を体で癒してあげたいと思う気持ちもありますが、ある面、相手の本当の気持ちを確かめようとして言っているところもありますから、簡単に据え膳食ったら「おえん」よ。(笑)

そんな二人の間で思い出されるのは、二人が出会った高校時代。夢を語り合った時間。
そして、自宅マンションで、自分の本心をさらけ出す一宏。
一宏に優しく語りかけるめぐみ。
4man めぐみの話すサリンジャーのライ麦畑の件には泣けましたね。
ただ、人の命を救うことは、反面、人の命を看取ることでもあります。
命の前線に立つ人たちは、優しさを持ちながらも、強い意志を持たないと務まらない仕事ですね。

4kazula 「困難で苦しい仕事」を経験し、「大切な人」との時間を過ごした一宏の顔は、少しだけ大人の男の顔になったようです。
実は、まだまだですが・・・。(^^

救難の脚本を高山文彦、その間のエピソードを水上清資で分担しているようですが、どちらも等身大の人間の感情の動きをきちんと表現していて見事だと思います。
仕事に就いている人には、けっこう、ぐっとくる話です。
全12話できっちり構成してくれていると思いますので、この後も期待できそうです。

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