半分の月がのぼる空 #6「僕たちの両手は」と太刀掛秀子「雨の降る日はそばにいて」

「多分、お前にとっちゃ、最悪の結末だ。」

前回のラスト、里香の手術の結果を裕一に伝えた夏目の言葉の意味で最終回Aパート引っ張るだけ引っ張りましたが、結末まで、ほぼ前回自分が感じたとおりの内容を語る物語であったので、ある面共感はできたものの若干感動的なインパクトには欠けたかもしれません。

里香の手術後の経過を心配する裕一ですが、これまで二度も重病の里香を病院から連れ出したことにより、里香の母親からの強い拒絶で病室どころか病棟に近づくことさえ禁じられてしまいます。
まぁ、家族の気持ちからすれば、当たり前ですね。
一途で純粋な想いは美しいですが、自分たちの気持ち中心に感情の赴くままに行動していては、理性ある人間とは言えませんし。
若いうちは仕方ないにしても、そのような痛みや経験を通して、自分たちだけでなく周囲の人たちの想いも大事にできるように成長するものです。

06miyuki しかし、そのような裕一の無力な状況も知らずに、勉強を教えにきた”みゆき”ちゃんから、里香の術後の経過も知らないとは薄情者と罵られるのは、世間からは子供としてしか見られていない裕一が少し可哀そうかも。

06sayoko そして、友達の話として亜希子さんに語られる夏目の昔話。
自分の残り全ての人生と彼女との残された時間との選択。
一応は人間の情を持ち合わせていたらしく、出世の道を捨てて彼女との時間を選択したものの、彼女の命の灯も消えて、全てを失くして、一人残された自分の人生に無常を感じていること。
同じような状況の裕一と里香に自分達と同じ辛さを味あわさせていいものかの迷い。

06natume 「どんな犠牲を払っても、いつかは全てを失っちまう。」

しかし、亜希子さんには「それが何だよ」と否定されてしまいます。


06akiko
「女ってのは、たとえ短くても・・・短い時間だからこそ、思いっきり幸せに笑える瞬間があれば、それだけでも納得できる。」

と、少し悲しい笑みを浮かべながら、自分のことのように答える亜希子さんにも、病気か事故で恋人を失った過去がありそうですね。
それが、元ヤンキーでも看護士を志した理由ですか。

でも、亜希子さんの語る想いは、なにも女性に限ったことではなく、男でも本当に相手のことを想っていれば、同じように感じるものだと想うのです。
ただ、男は社会的に刷り込まれた責任上もあって、愛する人の全てを抱えてあげないとダメだと勝手に思ってしまうんですね。
相手のことを想う心さえきちんと伝えていれば、本当は亜希子さんの言うとおりかも知れませんのに・・・。

06akiko2 「自分で気づかないうちに全てを手に入れてるのにさ。」


06yu3 しかし、裕一が夏目の話を廊下の陰から聞いてしまい、チボー家の人々の物語に自分の想いをかけた里香に応えるために、給水塔からザイルでぶら下がって病院の外壁を走って、里香の病室の窓の外に辿り着こうとするのは、ちょっと荒唐無稽かも。
ただのムボー者かクリフハンガーですかぃ?!(^^;

ここらへんの展開が、バカなマンガ的で、このアニメ作品のリアリティないところですね。残念。(原作どーりですか?:笑)
本当に真剣なら、そんな意表をついた技など使わずに、何度叩きのめされても正面からきちんと自分の想いを伝えて理解してもらうものでしょうに。

06rika
まぁ、後に続く、里香の笑顔と里香に語る裕一の想いで許してあげましょうか。

06rika4 「ずっと側にいていいか」と問う裕一に
「そんなに長くないよ・・・でも、短くもないよ。」
「何もかもあきらめなくちゃいけなくなるよ。」
と、裕一を気遣い答える里香。

そして、里香に優しく語りかける裕一。

06rika6 「わかってる・・・でも、俺が決めたことだから里香にも反対はさせない。」

「ずっと一緒にいよう・・・」

EDの歌詞のように、永遠なんてないとわかっているけれど・・・いつかは、この身は分かたれるのかもしれないけれど、それでも、魂は、想いは共に在ることはできるし、それだけでも生きてゆける。

夏目は「最悪」の結末と言いました。
だから、そのような状況に耐え切れずに側から去る人がいても、誰もそれを非難はできないでしょう。綺麗事だけでは生きてゆけませんし・・・。
逆に、死に逝く者が相手のことを縛りたくないということもあるでしょう。

でも、前回も書きましたが、

人間はいつか死ぬものです。
また、いつ死ぬかなんて自分には判らないものです。

だからこそ、限られた時間であっても、微かな光の中であっても、僅かな希望であっても、想う人と今ある時間を大事に生きることは何よりも大切だと思うのです。

静かに優しく語られる物語も終わりを迎えました。
この物語を見て、良いなと思った人には、ぜひ
太刀掛秀子『雨の降る日はそばにいて』を読んでみてもらいたいです。
できれば、後日談の『6月のシロフォン』と、りぼん掲載最後の作品となった『星聖夜』も。
70年代後半~80年代前半の「りぼん」の作家なので、もう20年以上前の作品ですが、死に逝く人の、送る者の、残される者の想いが感じられる作品群です。

一つ前の連載『ミルキーウェイ』までは、まだ少し、ちまちまっとした可愛い絵柄にコマ割だったのが、『雨の降る日はそばにいて』で、その後に続く洗練された画風、情感的なコマ割、美しいカラー画が確立されたと想います。
まぁ、その次の連載『花ぶらんこゆれて・・・』は、ちと展開が昼ドラみたいで重苦しくバタ臭かったので、個人的には『まりの きみの声が』『ポポ先生がんばる!!』の方が当時の年齢的に身近に感じられたものですが。(笑)

それよりも身に沁みたのは『ひとつの花もきみに』ですかね。
自分のことで、いっぱいいっぱいで他に優しくできないときでもありましたし・・・。(^^;

りぼんマスコットCOMICS版は全て絶版ですから、今は集英社文庫版で手に入ります。
『雨の降る日はそばにいて』 ⇒ 「ミルキーウェイ」収録
『6月のシロフォン』『星聖夜』 ⇒ 「秋への小径」収録

| | コメント (0) | トラックバック (2)

半分の月がのぼる空 #5「とめられた一分」

さて、予想とは裏腹に手術まで完了(結果は次回に引いてますが)しましたが、そこまでに至る過程が大仰に泣きを誘う演出でなく、淡々とそれぞれの想いを描いていることが逆に心に痛く泣けてしまいました。

05rika1 突然の発作で倒れた里香の応急処置は何とか済んで、かなり悪い状態とはいえ、一応の安定はしたものの、その状況に裕一に当たる夏目。
・・・あいかわらずです。(>_<)

たしかに何もできず、心配することしかできない裕一ですが、想い、想う人がいるからこそ強くなれることもあるんですけどね。
そんなことは夏目も重々承知で、だからこそ里香の深刻な状況に苦悩しているんでしょうし、思わず言いたくなる気持ちはわからなくもないですけど、思ってても言ってはいけないことはあるんですが・・・。
05natume人間、きれいなことばかりではないですが、それを他人にぶつけちゃ、お終いなんですが。
亜希子さんがケンカ売りたくなるのも、わからんでもないですね。

しかし、夏目の過去って・・・結婚してたのね。(^^;
死んだのは恋人かと思ってました。
05sayo それにしても、奥さん可愛すぎ。夏目にはもったいないかも。
夏目も、妖精さんなんてキャラちゃうやろ。臆面もなくよく言いますね。(笑)
で、夏目が心臓外科医を専門に選んだのは、奥さんの手術をするためか、それとも奥さんが亡くなったためか。
たんに医者の中で一番名誉職だからか・・・。
次回、亜希子さんに、ある昔話を語るそうなので、そこでわかるのかもしれませんが。

一方、亜希子さんの計らいで一分間だけ里香と会うことができた裕一ですが、その深刻な状況に耐え切れず、また病院を抜け出して、あてもなく夜の町をふらつきます。
05yu2 そして、そこに通りかかった美沙子さんに誘われるままベッドイン・・・まぁ、亜希子さんのおかげで未遂で終わりますが、まだ17歳の裕一が流されるのはしょうがないところでしょうか。(^^;

たぶん美沙子さんの方も東京でモデル業が今ひとつうまくいかないまま、父親の病気のことで田舎に呼び戻されて、重く抱えたものがあったからでしょうが、二人とも今の苦しさから目を背けるために、お互いに傷を舐めあってるようなものですね。
ときにはそれで癒されることもありますが、それは表面だけ傷がふさがったように見えるだけで、本当の解決にはなっていないことがほとんどで。

夏目の思い出す、重い事実から逃れるためのSEXも、見方によっては許せない行為とか裏切りとか言われるのでしょうけど、そういうことではないということも、わからなくもないですが、それでも、次に進むために一瞬の癒しが欲しいというのも有りとしても、身体を求めることに溺れてしまって、流されるだけの弱い精神ではいけないよ・・・と。

05akiko

だから、裕一にも、夏目にも、亜希子さんの言葉が痛いんですよ。(^^;

ところで、亜希子さんに無事(?)病院に連れ戻された裕一が夏目と屋上で話をする際、前回、裕一が里香の写真を撮ったカメラのフィルムが巻けなくなっていることが判明しますが、たぶん大丈夫でしょう。
05yu3写真を撮っているときは巻けてたので、多少フィルムが噛んでいても、暗室で開けば露光しないし、フィルムが折れていても1枚だけ無事に撮れていたってのが、うまい小道具の使い方ですかね。

また、”みゆき”ちゃんが持ってきた制服を里香に届けた際に、里香が手術の後で写真を見ると裕一に答える表情は印象的です。
05rika4 それは、生きて帰ってくるという想い、生きるための約束が欲しいからでしょうか。
指先に感じる想い・・・なにかEDの歌詞を思い出させます。(;_;)

05rika6 05rika5 そして、亜希子さんが裕一に語る、裕一の子供の頃の写真を手術室に伴う里香の想いには泣けてしまいました。
ただ、チボー家の人々の話は、ちょっと高尚すぎたかも。

さて、手術の結果は・・・手術室に入った母親が泣き叫んでないし、HPの次回あらすじでも、失敗はしてないようですが、夏目の言い様では、完全に成功したとも言いがたいようですね。
原作も完結して結末も読めばわかるので、あれこれ想像するのも愚かですが、一応の処置はできて普通の生活は送れるようになったものの、いつ壊れるか判らない状態は完治できなかったというところでしょうか。
いや、でも本編とは別に出てた変形版の方では、そんなではなかったよーな気も。
本編6巻のあらすじでも、二人で退院して二人で高校通う日常が描かれてるっていうし・・・。

それは、ともかく、

人間はいつか死ぬものです。
また、いつ死ぬかなんて自分には判らないものです。

それは、若いうちに亡くなることは平均的な寿命の時間から言えば、あまりにも短い悲しさはあるでしょうが、若かろうと年を経ていようと、亡くなる悲しさは同じです。
だからこそ、今ある時間を大事に生きることが何よりも大切ですね。
たとえ、いつかはその身が分かたれることになったとしても、魂は、想いは共に在ることはできるはずですし。

次回のサブタイ「僕たちの両手は」から思うことは・・・この両の手は生を信じ命を掴むためにあるもの。
生まれてくる赤ん坊は手を握り締めて泣き叫んでいますが、それは命を一生懸命握り締めています。
また、亡くなる人は、その掌(たなごころ)に自身の命を握り亡くなっていきます。
生まれいづるときも、死にゆくときも、この掌に命はある・・・。

さてさて、次回のラストをどのようにまとめてくれますか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

半分の月がのぼる空 #4「一日だけのスクールライフ」

酒に酔って裕一のことをボコボコにしたことを何となくしか覚えてなくて、気まずそうに謝る夏目せんせ。
自分の非を素直に謝れず、更には自分の若い頃のグチを呟くみたいに裕一に一方的にぶつけるとは、人の命を預かる主治医・執刀医の割には、やっぱ大人の精神が醸成されてないみたいですね。
最近は、こんな未成熟なやつが多いのですか・・・。

natume 型にはまったような、狡すっからい大人になれとは言いませんが、生きる情熱と自分を律する強さを持ち合わせるのが成長しているってことなんですけどね。
まぁ、そんな夏目を、へへへと笑って赦す裕一といい、お互い似た者同士のよーで。

そんな夏目にボコられた顔を里香に見とがめられてチンピラとケンカしたと言い訳する裕一ですが、肝炎の入院患者がそんなんするって信じますか?普通。
よっぽど普段の行動の信用がないのか、里香が天然なのか。(^^;
裕一がうまく誤魔化せてると思ってるところに、里香がわかってトボけてるところもあるのかも。
男の浮気の言い訳が通じないみたいなものですね。(笑)
rika1まぁ、里香の方は本気で裕一のことを心配していますから。

「痛いのは生きている証拠」

なにげなく言ってますけど、死が身近にある人のセリフだと・・・。

で、里香に赦してもらうための写真をとるために、父親の形見のカメラを家に取りに行こうと、また病院を抜け出そうとする裕一ですが、亜希子さんに見つかり愛車で拉致っぽく連れてかれることに。
しかし、亜希子さんがいくら車に関する、それっぽいことを言っても、画が下手すぎて車種が特定できません。(T_T)
car 病院への帰りに亜希子さんの昔からの友達を駅から拾って後部座席に乗せますが、高級車じゃないんだから、シートの真ん中にあんな座り方しませんって。
(本当にしますか?)
2ドアの走り強化した車にラグジュアリィなんて期待できませんよ。
原作のテーマはいいのに、アニメの方はこんなところのあちこちが力不足でリアリティないところが残念です。

まぁ、今回の唯一の救いはカメラを向けられたときの里香の可愛さでしょうか。(^^
rika2 rika3 rika5 rika6



rika8 dream photo





あと、話は前後しますが、裕一の駆落ち妄想の里香と、病院を勝手に抜け出した罰に廊下に正座させられている裕一に「お前も同罪だから一緒に座れ」と偉そうに言われても、黙って一緒にちょこんと正座するとこでしょうか。

さて、そんな里香の想い出作りに学校に連れて行こうとする裕一ですが、治る見込みのある病気ならば、これからいくらでも行けるじゃないかというのもありなんでしょうが、お互い口には出さぬものの、やはり深刻な状況を感じているからでしょうか。

yu1 しかし、幼馴染の”みゆき”ちゃんに姉のお下がりの制服を持ってきてもらったときに
「それ、どうするの?」
と聞かれる裕一って・・・いやいや、アキバ系じゃないから邪まな使い方はしませんよ。(^^;
でも、スカート丈の違いがお姉ちゃんと”みゆき”ちゃんの年代の差かな。
性格の違いもあるかもしれませんが。

rika9 そんなこんなで制服を着て学校へ行くことになりますが、病院内では普通に歩けてるのに、外では車椅子での移動ってのは、かなり悪い状況なのでしょうか。
心臓に負担かけるのはよくないですからね・・・。

しかし、里香と二人っきりになったときの”みゆき”ちゃんの

「あんた、どこが悪いの?・・・死ぬの?」

ってのは、ひぇ~ですね。(^^;
裕一が一生懸命になっていることへのジェラシーから、思わず吐き出すように言ってしまったんでしょうが、決して悪意はないんですよね。
ただ、あの年代特有の模索するような曖昧な死生観と、死を実感と感じられないもどかしさが、ともすると他へ対して傷つけてしまうような、興味本位と取られかねない言い方、聞き方をさせてしまうのはあることで・・・。

miyuki 嫌なことを聞いていい?と前置きしながら、”みゆき”ちゃんが里香に

「死ぬのって恐い・・・?」と聞くところもですね。

rika10 それに対する里香の返事は、を身近に感じながら、それでもを大事にしたいと思うようになってきているという感じがよく出ています。
高橋美佳子も上手くなったもんですね。

rika11 と、後どのくらいの時間があるのかも判らない中、それぞれの心の触れ合いを感じさせる優しい時間を持てた里香と裕一ですが、病院の屋上で突然倒れる里香。

まぁ、全6話なのでやや急展開となるのは仕方ないところでしょうか。
もともと小説全6巻の話を30分6話でやろうとするのが少し無理があるところ。
これが1クールだったら、もう少し病院内外でのエピソードや、夏目や周囲のキャラのエピソードを入れて、話を膨らますこともできるのでしょうけど。

次週予告では、手術室のカットもありますが、これがメインではなく、そこに至るまでのやり取りで引っ張って、ラスト5分前ぐらいで手術室に入って、執刀開始みたいなとこで最終回に続くと思うんですが、いかがでしょうか・・・って、もう24時間後には放送ですね。
なんかEDの歌詞どおりの展開で見せて、歌がかぶさりながらEDに入られたら泣いてまうな。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

半分の月がのぼる空 #2のことと#3のこと

画はときどきヘタれるものの、しっとりとした雰囲気で語られる物語。
しかし、鈴村健一は、種死みたいなやつ演るより、こんなヘタレだけど頑張る少年演る方が似合いますね。いちご100%といい。
あ、でもシンも似たよーなもんか。制作スタッフの悪意で、頑張らせ方が間違ってただけで。(笑)

■ #2「多田コレクションの相続」

前回ラスト、砲台山に里香を連れていったものの、体調が悪いのを無理していたため、その場に倒れこんだ裕一。
そこに至るまでの行為と、倒れた際に、うわ言のように漏らした裕一の本当の言葉に里香の気持ちも裕一に近づいていきますが、そう簡単にくっついてもらったら、お話が終わっちゃう。

と、ゆーことで、前回亡くなった多田じーさんから譲り受けたエロ本によるトラブルから、お邪魔キャラ夏目登場編。

見舞いにきた(とーぜん健全な少年ならエロ本目的!:笑)友達と、ついエロ本に見入っていたところを里香に見つかる裕一。

yu2 おぉっ!と言うのは男の性(さが)なのよ。

許したりぃな。(笑)


rika 03rika1 03rika2

 



そんなとこを見つけて、膨大な相続品(笑)まで見てしまった里香は、へ~ぜんと、「裕一って、すごい人だったんだね。ふ~ん。」と笑って部屋を出ていきますが、このひぇ~っていうリアクションの取りようもない、女の子の冷ややかな空気が男の子にはキっツイんですよ。・・・笑いながら眉間よってるし。(^^;

そんな里香になんとか許してもらおうとする裕一ですが、そう簡単には許してもらえませんね。(そらそうですね・・・でも、健全な男の子なら、ちっとも悪いところはないんですが ^^;)

しかし、裕一をドツきまわすわ、寒空の屋上に閉め出して放ったらかしにするわの里香は、やり過ぎちゃう?そのうち裕一死ぬで。(笑)
まぁ、子供の頃から入院していて、本だけが友達で、少女の潔癖症と加減を知らないってところを極端に表現しているんでしょうけど、それにしても。ねぇ。

03yu1 03yu2 一方、裕一は、里香に会いに行くために、ナースステーションのカウンターの下をひょこひょこしゃがんで行くわ、里香に赦してもらうために土下座までしゃかしゃかするわで、見事におバカなヘタレっぷり・・・というより、ただの素直な愛すべきバカタレなんでしょうけど。(笑)
男から見たらいいやつなんでしょうけど、女の子から見たら、ちょっと頼りないかな~?

そんな二人を何とかしてやろうと亜希子さんが間に入るも、夏目の単純な手に引っ掛かって再び屋上に閉め出される裕一。
03yu3 03yu4 03yu5

こんなとこがアホなんですよ。(笑)


でも、つい洋物(直輸入って無修正?)に手を出すのは君のせいじゃない!
全て若さゆえのリビドーが!パッションが!!
男がエロ本を求めるのは自然の摂理・・・って何を言っとんじゃ。(^^;

てなこともありながら、裕一は里香と何とか仲直りできそうな状況にはなりますが、里香が裕一に会いに屋上に来たのは、それが夏目に言われたからと言うことを里香の口から聞いて、さんざん夏目に嫌がらせをされて、夏目にいい感情を持っなかった裕一は里香に詰め寄ります。
03yu_ri 03yu_ri2 03yu_ri3 book book2




夏目に言われたのは本当だとしても、里香のそれは照れ隠しの、裕一に自分から会いに来た口実の一つなんですけど、やっぱ裕一がムっとするのは仕方ないですね~。
こういう、すれ違いは、ままあることで・・・。
本人たちにとっては、すごく真剣でしょうが、余裕がないところが初々しいです。(^^

■ #3「戎崎コレクションの終焉~そして」

前回のラストで夏目の思惑にはまって、思わず裕一に父の形見の本を投げつけてしまった里香。
それは、裕一に当たった後、手摺を越えて、屋上から2階下の窓の庇の上に落ちてしまいますが、中途半端なところに落ちたまま止まっている様子が、二人の関係、気持ちを表しているようですね。

その本を気にしながらも、どうともしようがなかった裕一ですが、いつものごとく病院を抜け出して遊びに行っていた親友の司の家で、雨が降りそうなことを知り、なんとか本を取り戻そうと病院に取って返します。
04yu1 04yu2 幸い司の助けを借りて無事本を取り戻せますが、足を滑らせてロープで宙吊りになったり・・・ホンマ、いつか死ぬで、お前。(笑)


取り戻した本を里香の枕元に返したものの、いろいろあって高熱を出した裕一はベッドの中で夢うつつ。
04dream2 夢の中での里香との仲直り・・・本当は御礼と心配で枕元に来ていた里香との会話だったのですが、砲台山のときといい、肝心なときにおぼろげなのがヘタレゆえんですね。(^^

04yu3なにはともあれ、裕一の気持ちはわかったけどエロ本のことは赦せない里香に言われて、病院の焼却場でエロ本に一冊ずつ語りかけて燃やして行く裕一。
・・・その未練が、男のセンチメンタルだね~。(笑)

そして、再び気持ちが近づいた二人にイラつく夏目。
一方では、主治医として里香の母親に厳しい事実を宣告しています。
ただのイヤなやつではなく、歪んだ感情の表し方は、夏目自身にも恋人と死別したツラい過去があって、裕一と里香の二人の関係を自分と重ねて快く思っていないということは、容易に想像できるのですが、しかし、いくら自分自身も苦しく、里香のことも見てられないからといって、当直中に酒は飲むわ、あまつさえ入院患者(裕一)を足蹴にしてボコボコにするわでは、医者失格という前に人間失格ですね。
ナースといい、医者といい、こんなんばっかで、大丈夫かいな?この病院。(笑)

自分自身の感情を抑えきれず吐露してしまうところは人間的といえばそうなんでしょうが、それを(心や身体の)暴力として他人にぶつけるのは、到底正常な精神の人間じゃありません。
他人にぶつけて解消できる苦しみは、本当の苦しみではないでしょう。
他人の助けを借りることはあるにしても、苦しみは自分で昇華するしかないと思うのですが・・・。
これでは、到底、山に登ってる人間とは思えませんね。
こんなやつを信用してバディやパーティ組むやついるんかいな。

それにしても、夏目に娘の症状を宣告される、お母さんの気持ちは痛いほどわかりました。
もう1年以上前にはなりますが、自分自身もそのような立場で話を聞いたことがありますので。
それでも・・・今日は手はないかもしれない・・・でも、明日は?明後日は?
少しでも永く生きながらえていれば、数週間後、数ヵ月後には別の治療法、薬が見つかるかもしれない・・・。
人の手で全てを関与できないところに生と死はあるのかもしれませんし、医者としてあいまいな希望でなく事実を伝える辛さ、大事さはわかりますが、そのような希望まで失くす、失くさせることはないと思うのです。(うちの主治医がそうだったということではなくて、ね。)

だからこそ、みんな、ときに泣きたくなる想いを堪えて、笑みを湛えながら明日のために頑張れると思うのですよ。

04yu_ri104yu_ri204ri1






さて、一方、裕一は里香に誘われるままに銀河鉄道の夜をなぞって、ジョバンニ(裕一)カムパネルラ(里香)のセリフを演じて気持ちが通じあったと思っています。 

しかし、夏目に殴られて、夜の屋上に置き去りにされた後、満点の星空を見ながら、打ちひしがれた気持ちを戻そうと、持っていた『銀河鉄道の夜』を読み、「どこまでもどこまでも僕達一緒に進んで行こう。」という件に里香との未来を希望しますが、そのとき風にめくれた本の先に書かれていたカムパネルラの真実を見て読んでしまいます。
ジョバンニと旅していたカムパネルラは、本当は・・・。
そして、自分をカムパネルラとしていた里香の本当の気持ちは・・・あの笑顔の意味は・・・。

04yu4 04yu5 04yu6 04book






と、ここまで#3話が原作#2巻目までですね。
原作は全6巻で、そのうち丸々一巻が夏目の過去話ということらしいので、このペースだと夏目の分はかなり削られそうですね。小説と違ってTVだったらしょうがないとこですか。
しかし、今回のラストの裕一が銀河鉄道の夜の真実を知る件。実は『銀河鉄道の夜』ってあらすじだけで、まともに読んだことなかったので、TVで見たときはあまり実感なかったのですが、週末に本屋でTVはどの程度まで進んでいるのか、ふとパラパラと原作#2巻をめくったところ、そのエピローグに書かれていたTV#3話ラストのとこを読んで、つい店頭で目がじんわりしてしまったのでした。
あぁ、いかん、いかん。(^^;

| | コメント (2) | トラックバック (2)